ご主人様だけに一途
「あきと君は、どっちのウサギが好き?」
「僕は、こっち。白と黒のまだらな方」
「こっちの真っ白ウサギの方が、
あきと君っぽいよ」
「僕っぽいって、どこら辺が?」
「目がグリグリの真ん丸なところとか」
「僕は、男らしい
キリっとツリ目が良かったんだけど……」
「今のままで、
贅沢すぎるほど十分だと思うけどな」
「女の子っぽいって、言いたいんでしょ?」
「そうだねぇ……
私よりは、確実に女の子っぽい……かな?」
「酷いじゃん。
僕、気にしてるのに~」
二人でアハハって笑って。
ツッコミが飛び交うようになり。
二人の距離が、格段に縮まった感じが
たまらなく嬉しい。
緊張感が程よく取れ
僕の心の中も、穏やかになってきた。
このいい感じのまま、
葉音ちゃんに、聞きたいことを聞くぞ!
隣に座る葉音ちゃんを
安心させたくて
僕は瞳がなくなるほど、ゆるっと微笑む。