ご主人様だけに一途
「このゲームってね、宇宙人王子たちが
地球でアイドルを目指しながら
マネージャー兼、ご主人様だけに甘える
アイドル育成リズムゲームなんだけど……」
アイドル育成ゲームでもあったんだぁ。
知らなかったぁ。
……って。
なぜ今、
そんなゲームの話しなんか……?
「この衣装はね、そのゲームの
第二弾のキャラ衣装なんだけどね」
第二弾のゲームなんて
僕を取り囲む女子たちからも、
聞いたことがないけど……
「あきと君なら似合う……
違う、違う。
あきと君以外に似合う人なんて、
絶対にいないと思うんだ!!」
僕の隣に座る天使が
熱のこもった瞳で、僕を見つめてくる。
こんな近距離で
朝日で光る湖みたいな、
キラキラな瞳で見つめられて
いつもの僕なら
キュンキュンで
心臓が肌を、突き破りそうになるのに
なぜか今の僕は
冷めたハートで、
冷静に、葉音ちゃんを見つめ返してしまう。