ご主人様だけに一途
「お父さんの会社ね、
他の事業にも手を出しちゃって。赤字続きで。
どうしても、
次のゲームをヒットさせたいみたいで……」
経営赤字って……
家族が路頭に迷う、ヤバい奴じゃん。
「第二弾のゲームはね、
獣人たちがアイドルを目指すゲームで。
ウサギ獣人が主役なんだけど……」
メインキャラが、ウサギ獣人かぁ。
やんちゃ&可愛さで、
女子のゲームプレーヤーを悩殺するだろうし。
人気は出そうな感じするけど。
「私が考えた……
キャラなんだけど……」
葉音ちゃんが、
ウサギ獣人を考案したの?
なんか無関係な僕でも、
愛着が湧いちゃうよ!!
「あきと君をイメージして……
考えたから……」
……僕?
「どうしても……あきと君に……
ステージに立って欲しくて……」
ふぇ?
今、葉音ちゃんの口から
とんでもない言葉が、出たような……
「ステージに立つウサギ獣人の
ご主人様役、
それと本物のマネージャーも
私がやらなくちゃいけなくて……」
「……」
「私が担当するのが……
あきと君だったら……良いなって……」
えっ? ええっ?
今の説明だけじゃ、意味がわかんない!
ステージに立つ?
葉音ちゃんが、ご主人様役?
僕のマネージャー?