ご主人様だけに一途
あっという間に玄関に着いた。
僕は、靴を履き。
――もっと、葉音ちゃんと
一緒にいたかったなぁ……
未練タラタラな思いを
僕は、がっかり声に溶け込ませる。
「……お邪魔…しました……」
「休みの日に、
わざわざ時間作ってもらっちゃって。
こんな、迷惑な話しをしちゃって。
本当にごめんね」
だから、謝らないで。
僕は、葉音ちゃんの
笑った顔が好きなんだから。
「ウサギの話ができて、僕は楽しかったよ」
「うんうん。私も楽しかった」
葉音ちゃんは、
満開の笑顔を見せてくれたけれど
すぐに、表情が蔭っちゃったから
心配が募ってしまう。