ご主人様だけに一途
葉音ちゃんは
僕ともっと一緒にいたいなんて、
思ってはくれないよね?
当たり前かぁ……
僕が玄関から外に出たとたん、
バタリと玄関ドアが閉まった。
その高級そうなドアが
葉音ちゃんの
心の扉に見えてしまう。
せっかく、
僕に心を開いてくれたと思ったのに……
もしかしたら
このまま
葉音ちゃんの心の扉は開くことなく
僕を受け入れてくれないかもな……
そんな暗い気持ちのまま
僕は重い足をペダルに置いて
自転車を漕いで漕いで
なんとか家まで、逃げ帰った。