ご主人様だけに一途
秘密の筆談 ②
それから、
1週間がたちました。
隣の席の葉音ちゃんと
ウサギの話しで
盛り上がっているかというと……
そんなパステルチックな雰囲気は
どこにもなくて。
「あきと君……おはよ……」
「おっ、……おはよ」
葉音ちゃんの家に行く前よりも
お互いの距離が遠くなってしまったという
残念な感じに……
葉音ちゃんは
僕に挨拶をする時すら、
微笑んでくれなくなっちゃったし。
休み時間になるとすぐ、
自分の席からいなくなるし。
はぁぁぁぁ。
僕って、嫌われちゃったのかな?
政略結婚させられないように、
力になる!って、言っておきながら
ウサギの獣人として
ステージには立てないって、
断っちゃったし。
失望されても、しょうがないよね……