ご主人様だけに一途



午後一の授業は

あったかい日差しのせいか、
眠くなる。




古文の先生の声を子守歌代わりに、
ウトウトしていた時。


ん?

消しゴム?


隣から飛んできた消しゴムにビックリして

僕は、目を見開いちゃった。




この消しゴムって……

葉音ちゃんの物だよね?




葉音ちゃんは
目を見開いたままの僕と目が合うと

恥ずかしそうに目を伏せ


机の上のノートを開き

何かを書き書き。



僕の目は、
葉音ちゃんの細くて綺麗な指に
くぎ付け状態。



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