ご主人様だけに一途
ウサギ王子の葛藤
その日の帰り道。
心のどんよりが晴れなくて。
こんなブラックな気持ちを背負ったまま、
家になんか帰りたくなくて。
自転車で
いろんなところをブラつきながら
つい、ついつい。
葉音ちゃんの家の近くまで
来てしまった僕。
はぁぁぁ。
僕って、女顏ってだけじゃなく
心まで女々しいって……
今、葉音ちゃんに
ばったり会っちゃったら、
どうするわけ?
『偶然だね~』って、
わざとらしい笑顔を振りまく?
そんなことしたら……
ストーカーだって勘違いされて。
あざとい男だって、幻滅されて。
嫌われるかもしれないじゃん?
帰ろう!
家に!