ご主人様だけに一途
『雅光君は……』
『俺がなんだよ?』
『絶対に……
断ると思ったから……』
『は?』
『私なんかの…お願い…なんて……
絶対に…受け入れないでしょ……?』
葉音ちゃんの途切れ途切れで
自信なさげな声が、
静かな公園に消えていく。
『なんだよ……それ……』
雅光君の、やけに悲しそうな声まで
弱々しく消えて行って……
それから二人とも
ベンチに座ったまま、
何も話さなくなってしまった。
無言の時間は、2分ほど続き
その静寂を解いたのは、
弱々しい雅光君の声だった。