ご主人様だけに一途
結局、僕は
公園から逃げだした。
心の痛みをごまかしながら
溢れそうになる涙を、必死に堪えながら
自転車のペダルを漕いだ。
そして家に帰り、
無気力のまま、ベッドにバタリ。
精神状態が、明らかに不安定なまま
なぜか僕は
第一弾のゲームの『シリウス』を
スマホにインストールするという、
意味不明な行動に、出てしまった。
まず
僕のニックネームを入力して
いろんな星のイケメン王子様の中から、
一人選ぶのかぁ。
僕は、生クリーム星の
極甘べちゃべちゃ王子を選択。
『初めまして、アキ。
今日から僕は、キミだけの王子様だよ』
スマホから流れる、
艶っぽい色気ボイスに。
うわっ///
男相手の僕にも、
蜜甘言葉攻めが全開って……
極甘声に耐性の無い、僕の背中が
ゾワゾワと震えだす。