ご主人様だけに一途



結局、僕は
公園から逃げだした。



心の痛みをごまかしながら

溢れそうになる涙を、必死に堪えながら
自転車のペダルを漕いだ。



そして家に帰り、
無気力のまま、ベッドにバタリ。




精神状態が、明らかに不安定なまま

なぜか僕は

第一弾のゲームの『シリウス』を
スマホにインストールするという、

意味不明な行動に、出てしまった。




まず
僕のニックネームを入力して


いろんな星のイケメン王子様の中から、
一人選ぶのかぁ。



僕は、生クリーム星の
極甘べちゃべちゃ王子を選択。



『初めまして、アキ。
 今日から僕は、キミだけの王子様だよ』



スマホから流れる、
艶っぽい色気ボイスに。

うわっ///

男相手の僕にも、
蜜甘言葉攻めが全開って……



極甘声に耐性の無い、僕の背中が

ゾワゾワと震えだす。


< 70 / 96 >

この作品をシェア

pagetop