異世界転移したら、そこで強力な治癒術師になってました。
森を歩いてさまよって、出会ったのは妖精!?
今日の私は重い教科書やノートを抱えて、学校から自分の家へと帰っている最中だった。

あと少しで家だという所で、いきなり私の視界が歪んで、滲んで景色が見えなくなったあと、クリアになった目の前の光景に自身の目を何度となく瞬き、荷物を置いて、両手で目を擦ってみても変わらないその様子に、思わず呟いた。



「ここはどこ?」



私の目の前に広がるのは、住宅地の家々とコンクリートや街頭ではなく、青々と茂る緑豊かな森の中。

しかも、夕方だったはずの時間は変わっており、木々の隙間から日が差し込んでいるところを見ると、ここは昼間っぽい。

ここに立ち尽くしていてもどうにもならないのだけは分かるので、私は日の差す方向に向かって歩き出した。



「さて、どっちに行けばいいのかも分からないよ?」



少し歩いた後、木々の隙間が大きくなり視界が開けてきた頃、立ち止まり思わず腕を組んで呟けば、キラキラと光る球体が二つヒラヒラと飛んできた。

不思議と怖さはなく、思わず光るものに手を伸ばして一つ掴んでしまった。

< 1 / 128 >

この作品をシェア

pagetop