異世界転移したら、そこで強力な治癒術師になってました。
「キャ!ちょっと、人間!なにしてくれるのよ!」
掴んだ光るものからは、甲高い可愛らしい女の子の声がした。
言葉が分かることにホッとして、私は掴んだものを目の高さに掲げて見つめるとそこに居たのは、私の世界ではファンタジーなどでおなじみな格好の妖精だった。
「まさか、リアルな妖精さんに出会うとは……。これは夢? 私ってば、寝ぼけてる?」
思わず掴んでしまった光が妖精さんなことに呟いた私に、手の中の子はブーブー文句を言ってきた。
「ちょっと、人間! あんたいい加減離しなさいよ! って、あれぇ? あんた、この世界の子じゃないわね」
そんな手の中の子が気になるのか、もう一つの光も手の近くでキラキラふわふわしていると、手の中の子の言葉に反応してキラキラが薄れて姿が見えた。
手の中の子は水色の髪に瞳と透明な羽根の妖精さんで、もう一人は黄緑色の髪と黄色っぽい瞳で透明な羽根の妖精さんだ。
黄緑の子も姿が見えると、声が聞こえてきた。
「アリーン! この子が精霊王様が言ってた愛し子ちゃんじゃない?」
黄緑の子は、柔らかくおっとりした口調で告げると水色のアリーンと呼ばれた子は目を見開いて驚いたように言う。