異世界転移したら、そこで強力な治癒術師になってました。
作り終わった夕飯をケジャさんのお家で一緒に食べていると、急に外が騒がしくなってきた。
ニワトリ達の鳴き声に混じって、もう少し重い足音がしている。
「まさか、もうお迎えが来たのかね?」
外から響いてくる音に、ケジャさんが腰をあげると同じくしてドアをノックする音がした。
「すみません!西辺境騎士団の者です!」
その声にケジャさんがドアを開けた。
その先には、中世にあったような甲冑を着込んで、馬を引いた男の人が三人居た。
「夜分にすみません。この子で連絡をくれたのは、あなたですか?」
差し出された白い鳥を見て、騎士の問いにケジャさんは頷き、返事をする。
「あぁ、そうじゃよ。この子を迎えに来てくれたのかい?」
私はケジャさんの後ろから、ゆっくりドアに近づいた。
すると、騎士の中から精悍な感じでガタイの良いお兄さんが私の前にやってきた。
「本当に黒髪、黒目。黒の乙女だ……」
そんなに黒って珍しいんだろうか?
ケジャさんは白みがかった金髪だし、この目の前に来た騎士さんなんて銀髪だけど。
その後ろには、赤髪やら、マロン系の茶色やら居たが、確かに黒は居なかった。