異世界転移したら、そこで強力な治癒術師になってました。
うん、二人の会話する姿は可愛いけど、私にも分かるように、そろそろ説明して欲しいな?
「ユウ、あなたは精霊王があなたのいた世界とは違うこの世界、フューラに召喚したのよ。精霊王の愛し子として、この世界でして欲しいことがあるの」
なんと、精霊王とかいうこの世界の偉そうな存在に私は召喚されちゃったらしい。
異世界転移しちゃったって、ことなの? とりあえず、訳知りなこの二人の妖精さんの話はしっかり聞くべきと、私は聞く体勢を整えるのだった。
「ユウがいた世界と、フューラはきっと色んなことが違うわ。その違いを不自由なく過ごせるように、精霊王様が私とアリーンを、ユウの元に送り込んだのよ」
ニコッと笑って教えてくれたサリーンに、私は聞いてみた。
「異世界から召喚ってどういうことなの? 私はそのやることをやったら元の世界には帰れるの?」
私の疑問にサリーンとアリーンは顔を見合わせると、私の方を向いてあっさりとした口調で告げた。
「異世界からの召喚は一方通行で、招けるけど送り返すことは出来ないと、言われているわ」
その言葉に私は絶句した……。
一方通行で召喚されるって、帰れないって嘘でしょう? 自分の意思とは全く関係ない召喚によって戻れないことを知り、言葉を無くした私にサリーンはそっと肩に乗り、頬を小さな手でそっと触れてきて言った。
「異世界から人を招くのはそれだけ大事で、ユウを招いたことで、精霊王様も今は眠っているの……」