異世界転移したら、そこで強力な治癒術師になってました。
ミレイド家や関わった騎士さん達にも、魔法の制御も力もかなりのものだが、だからこそ他の魔法が使える人のレベルを知るのも勉強だ、との勧めから魔法科に編入となった。
編入試験は先週受けたが、魔法科のおじいちゃま先生がなにかをする前に私と出会ってすぐに言った言葉で即編入許可が下りた。
「フォッ、フォッフォ。黒の乙女様であれば、我々教師ですら力でも技でも勝てる者はおりません。こちらが学びたいくらいですので、ぜひ来週からいらして下さい」
よくよく聞いたら、王宮魔術団の前団長職だったらしい。
引退したとはいえ、ちょっと前まではこの国で一番強い人が認めた、という事でなんの問題もなく編入が決まったという。
そうして、たどり着いた王立学園はというと。
「これまた、どっかの学園ドラマみたいな校舎ですこと……」
私の呟きに、シャロンさんが一言。
「一応、国のものですからね。これ、その昔は離宮だったそうですよ」
なるほど、通りで立派な建物だし、そこかしこに名残があるのね。
しかも、王宮は荘厳だったのにこの離宮はなんというか……。
「派手だね……」
「えぇ、四代前の派手好きな王様の建てた離宮ですので……」
シャロンさん、はっきり言ったわね。
まぁ、ここで過ごすのは一年くらいだし、なんとかなるでしょう。
そんなわけで、私はシャロンさんの先導で教員室を目指した。
シャロンさんが迷いなく進むのは、ここのメイド科の卒業生だから。
頼りにしてます、シャロンさん。