仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
「皇帝陛下はご家族に愛情を注いでらっしゃるのに、ユーリスさまも気にかけてらして優しい方ですね」
「気に掛け過ぎてうざがられてるけどねぇ」
「え」
皇妃の歯に衣着せぬ言い方にフローラはポカンと口を開けて絶句。
「ふふ、それでもジェイはユーリスが大好きなのよ。子供たち同様にかわいくてついつい構いたくなっちゃうんですって」
ジェイとは皇帝の愛称だ。
皇帝にくすぐられてのたうち回るレオンハルトとアリエラを見ながらフローラは血の繋がりもないユーリスを皇帝が構うのか不思議でならない。
「どうしてそこまでユーリスさまを?」
「そうねえ、ジェイは兄弟のいない自分にとってユーリスは幼い頃から一緒にいる弟のようなものだといっていたわ。でも、それだけじゃなくてジェイは溺愛体質なのよ」
「溺愛体質?」
「愛情があり余り過ぎて自分の好きな人を際限なく溺愛してしまうの。ユーリスは一時期この後宮に住んでいたこともあったから余計に世話を焼きたがるのかもね。きっとユーリスが幸せになるまであのお節介は直らないわよ」
ふふふっと笑う皇妃もじゃれている皇帝と子供たちを愛おしげに見つめている。
「ジェイはこの国も愛してるから国が幸せになれるようにいつも心を砕いているわ。それこそお節介なほどにね。ジェイほど皇帝に相応しい人はいないと思わない?」
「はい、私もそう思います」
愛情持って国を治めている皇帝だからこそ名君と名高い由縁なのだろう。
ユーリスからすればさぼってばかりいるぐうたら皇帝だと思っているに違いない。
皇妃はそう思ってクスリと笑う。
「そうだフローラ」
「あ、はい」
皇妃はなにを笑っているのだろうと首を傾げていたフローラに皇帝が呼びかけた。
「今度面白いことをしようと思う。楽しみにしておけよ」
「はあ」
なにか悪巧みをしてるような顔でニヤリとした皇帝にも首を傾げるフローラだった。
「気に掛け過ぎてうざがられてるけどねぇ」
「え」
皇妃の歯に衣着せぬ言い方にフローラはポカンと口を開けて絶句。
「ふふ、それでもジェイはユーリスが大好きなのよ。子供たち同様にかわいくてついつい構いたくなっちゃうんですって」
ジェイとは皇帝の愛称だ。
皇帝にくすぐられてのたうち回るレオンハルトとアリエラを見ながらフローラは血の繋がりもないユーリスを皇帝が構うのか不思議でならない。
「どうしてそこまでユーリスさまを?」
「そうねえ、ジェイは兄弟のいない自分にとってユーリスは幼い頃から一緒にいる弟のようなものだといっていたわ。でも、それだけじゃなくてジェイは溺愛体質なのよ」
「溺愛体質?」
「愛情があり余り過ぎて自分の好きな人を際限なく溺愛してしまうの。ユーリスは一時期この後宮に住んでいたこともあったから余計に世話を焼きたがるのかもね。きっとユーリスが幸せになるまであのお節介は直らないわよ」
ふふふっと笑う皇妃もじゃれている皇帝と子供たちを愛おしげに見つめている。
「ジェイはこの国も愛してるから国が幸せになれるようにいつも心を砕いているわ。それこそお節介なほどにね。ジェイほど皇帝に相応しい人はいないと思わない?」
「はい、私もそう思います」
愛情持って国を治めている皇帝だからこそ名君と名高い由縁なのだろう。
ユーリスからすればさぼってばかりいるぐうたら皇帝だと思っているに違いない。
皇妃はそう思ってクスリと笑う。
「そうだフローラ」
「あ、はい」
皇妃はなにを笑っているのだろうと首を傾げていたフローラに皇帝が呼びかけた。
「今度面白いことをしようと思う。楽しみにしておけよ」
「はあ」
なにか悪巧みをしてるような顔でニヤリとした皇帝にも首を傾げるフローラだった。