仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う

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「ユーリス大事な話がある」
いつになく真剣な表情をする皇帝に、暫く口を聞いていないユーリスは何事かと気を引き締めた。
「昨今の若者は恋愛に消極的な草食系ばかりだと思わないか？」
「はあ？」
「恋愛は結婚に、引いては子供の出生率に関わる。少子化問題をどうにかせねば我が帝国に未来はない！なあスペンサー侯爵？」
「はい、さようでございますね」
にっこり笑い皇帝に同意するスペンサー侯爵。
（なにが少子化問題だ。子供が増えて帝国学校を増やそうかと言っているくらいなのに）
いったいふたりはなにを企んでいるのか、胡散臭いと思うユーリスは顔が引きつる。
「そこでだ、独身者を募り仮面舞踏会を開こうと思う」
（またおかしなことを言い出したぞこの人は）
ユーリスは頭痛がする額を抑えはあっと深い溜息を吐く。
「ふざけたことを。少子化問題となんの関係があるんですか」
「若者たちに出会いの場を提供するのは大事なことなのだぞ？普通に舞踏会であははおほほとお上品に笑い合っても恋愛などできるわけがない。仮面を付け思うがままに恋愛を楽しみ結婚に至る。そしていずれはベビーラッシュ！賑やかになるぞ！どうだいい案だろう？」