仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
咄嗟に顔を手で隠したユーリスはさっきまでいた侍女たちがいないことに気づく。
「ここにはもう私しかいない。顔を隠す必要はないぞ」
「いったい、なにがしたいんですか」
抵抗するのも疲れてしまったユーリスはゆっくりと右手を下した。
素顔を曝したユーリスに優しく微笑む皇帝は彼を椅子に座らせ、自らオイルを手に取りユーリスの髪のセットに取り掛かる。
「最後の仕上げだ、私が男前にしてやろう」
「ちょっ……と、なんで、こんなこと」
びくっと肩を竦め大人しくなったユーリスの髪にオイルを塗り後ろに撫でつける。
「お前のその顔、私は嫌いではない」
「は?」
「火傷の痕がどうした、よく見れば愛嬌のある顔ではないか」
「ちょっと、馬鹿にしてます?」
「馬鹿にしてなどいない。私はな、いつかユーリスのすべてを愛してくれる女性が現れてくれることを信じているのだ。必ずどこかにお前の運命の相手はいる、お前の幸せを心から願っているのだ」
「陛下……」
俯き感動したかのように言葉に詰まるユーリス……だったが。
「ここにはもう私しかいない。顔を隠す必要はないぞ」
「いったい、なにがしたいんですか」
抵抗するのも疲れてしまったユーリスはゆっくりと右手を下した。
素顔を曝したユーリスに優しく微笑む皇帝は彼を椅子に座らせ、自らオイルを手に取りユーリスの髪のセットに取り掛かる。
「最後の仕上げだ、私が男前にしてやろう」
「ちょっ……と、なんで、こんなこと」
びくっと肩を竦め大人しくなったユーリスの髪にオイルを塗り後ろに撫でつける。
「お前のその顔、私は嫌いではない」
「は?」
「火傷の痕がどうした、よく見れば愛嬌のある顔ではないか」
「ちょっと、馬鹿にしてます?」
「馬鹿にしてなどいない。私はな、いつかユーリスのすべてを愛してくれる女性が現れてくれることを信じているのだ。必ずどこかにお前の運命の相手はいる、お前の幸せを心から願っているのだ」
「陛下……」
俯き感動したかのように言葉に詰まるユーリス……だったが。