仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う

それから大変だったのは子供たちだ。
ユーリスの真摯な告白に感動したレオンハルトはユーリスを見直したようで初めの敵を見るような目から興味津々な目でユーリスを見るようになった。そしてその興味は尽きずにこれからユーリスがたじたじになることになる。
アリエラに関してはやはり女の子というべきかぽっと頬を染め私も愛の告白されてみたいと夢見心地だったのだが、フローラがヒルト邸に戻ることになり離れ離れになると知って相当フローラのことが気に入っていたのだろう駄々をこね始めた。
そこで提案されたのはアリエラの教育係としてフローラもユーリスとともに宮殿に通うこと。
せっかく仲良くなれたのだし、淑女教育も途中で投げ出さずに済んでフローラもやる気満々。
毎日顔を合わせられるとあって渋々だがアリエラも納得してくれた。
そして一言も発さずに見守っていたアーゲイド男爵だが、せっかくなのでお父上もご一緒にとユーリスはヒルト邸に誘ったがやはり若いふたりに水を差したくないと言って断り男爵は後宮に留まることとなった。
実際のところもう少しで社交シーズンが終わって自領に帰ることになるので後宮生活を満喫したいのだろう。
ずっとお世話になりっぱなしで迷惑なのではとフローラは思ったが皇帝は一向に構わないというのでお世話になることになった。
< 135 / 202 >

この作品をシェア

pagetop