仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
「こんな私を見ても君はまだそんなことを言えるのか?」
乱暴に仮面を外した彼の顔を見てしまったフローラは驚き体が硬直した。
「醜いだろう、恐ろしいだろう。私の心も同じだ。醜く愚かで非情な男なんだ。早くここから立ち去れ。でないと君にも手荒なことをしてしまうかもしれない。……出て行ってくれ」
絞り出すように最後の言葉を告げると、素顔を見られていることに耐え切れなくなり立ち上がって背中を向けた。
ユーリスの悲痛な叫びに我に返ったフローラが取った行動は……。
立ち上がり一歩、一歩と彼に近付き、震えているように見えるその背中に語り掛けた。
「ユーリスさまを知らない頃だったら、逃げていたかもしれません。でも真摯で優しくて、人を愛したくてたまらない、そんなユーリスさまの内面を私は知ってしまった。私は、望んでしまったのです。ユーリスさまに愛されたいと。私はあなたがどんな姿であろうとあなたを愛しています」
そう言ってユーリスの前に回り込んだフローラは彼の頬に両手を添え背伸びをした。
ふわりと唇に温もりが伝わる。
驚くユーリスを見つめそっと焼けただれた頬を撫でる。
「愛することを恐れていた可哀想な人。でも、これからは私があなたを愛して幸せにしたい」
「……君は、私が怖くないのか」
「ユーリスさまの優しさは十分知っているつもりです。怖いわけありません」
「こんな顔、見るに耐えないはずだ」
「あなたの火傷の痕も、愛しているからこそ愛おしい」
息を呑むユーリスに、フローラは再び背伸びをして火傷の痕にキスをした。
「フローラ……」
呆気に取られているユーリスにフローラは頬を染めながらちょっと拗ねた顔をする。
「実は私怒っているんですよ?素顔を見せてくれる時には笑ってくださいとお願いしたのに、そんな辛そうな顔をするなんて。ご自分を卑下するために素顔を見せるなんて今後二度としないでください」
乱暴に仮面を外した彼の顔を見てしまったフローラは驚き体が硬直した。
「醜いだろう、恐ろしいだろう。私の心も同じだ。醜く愚かで非情な男なんだ。早くここから立ち去れ。でないと君にも手荒なことをしてしまうかもしれない。……出て行ってくれ」
絞り出すように最後の言葉を告げると、素顔を見られていることに耐え切れなくなり立ち上がって背中を向けた。
ユーリスの悲痛な叫びに我に返ったフローラが取った行動は……。
立ち上がり一歩、一歩と彼に近付き、震えているように見えるその背中に語り掛けた。
「ユーリスさまを知らない頃だったら、逃げていたかもしれません。でも真摯で優しくて、人を愛したくてたまらない、そんなユーリスさまの内面を私は知ってしまった。私は、望んでしまったのです。ユーリスさまに愛されたいと。私はあなたがどんな姿であろうとあなたを愛しています」
そう言ってユーリスの前に回り込んだフローラは彼の頬に両手を添え背伸びをした。
ふわりと唇に温もりが伝わる。
驚くユーリスを見つめそっと焼けただれた頬を撫でる。
「愛することを恐れていた可哀想な人。でも、これからは私があなたを愛して幸せにしたい」
「……君は、私が怖くないのか」
「ユーリスさまの優しさは十分知っているつもりです。怖いわけありません」
「こんな顔、見るに耐えないはずだ」
「あなたの火傷の痕も、愛しているからこそ愛おしい」
息を呑むユーリスに、フローラは再び背伸びをして火傷の痕にキスをした。
「フローラ……」
呆気に取られているユーリスにフローラは頬を染めながらちょっと拗ねた顔をする。
「実は私怒っているんですよ?素顔を見せてくれる時には笑ってくださいとお願いしたのに、そんな辛そうな顔をするなんて。ご自分を卑下するために素顔を見せるなんて今後二度としないでください」