仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
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翌日、ユーリスとフローラが宮殿に行くと事件は解決していた。
「すべて解決!もう心配ない!」
と得意満面な顔で皇帝に言われたときには拍子抜けした。
真相は、真犯人を雇いユーリスを貶め取って代わって権力を握ろうとしたバリモア公爵とその息子ジェームズが黒幕だった。
皇帝の信頼も厚く、次期宰相と名高いユーリスにジェームズは嫉妬していた。
バリモア公爵はその息子のために今回の計画を企てユーリスを殺人犯に仕立てようとした。
そして目を付けたのが三人の犠牲になった女性たち。
実は娼婦の元締めもバリモア公爵で、娼婦から足を洗いたいと言い出した女性たちを始末するために今回の殺人事件を思い立ったらしい。
四人目の女性はジェームズの懇意にしていた娼婦で、何かと強請られ煩わしくなった彼女を始末するため、そしてユーリスをより凶悪な猟奇殺人犯に仕立てるために女をけしかけ既成事実まで作らせそのあと殺すつもりだったということがわかった。
それを阻止しユーリスがあの場から逃げるのを手助けしたのは皇帝の密偵だった。
あの日、ユーリスが捕らわれ目覚めたとき男が誰かに呼ばれて出て行ったのは、ユーリスを張っていていたふたりの密偵で、ひとりが警察に応援を呼びに行きもうひとりがノックで男を呼び出しユーリスが逃げるのを手助けした。
実は殺されていたと言われていた女も生きていた。ユーリスが突き飛ばしたときにテーブルに置いてあったランプが倒れボヤが起きた。その騒ぎに乗じて駆けつけた警察がその場にいた犯人と関係者数名を捕縛。取り調べで犯人たちは洗いざらい自供し、ジェームズとバリモア公爵の関与も明らかとなった。
それを知らないバリモア公爵がボヤ騒ぎで騒然としている中、先走って女がまた殺されたと言い触らしたため黒幕は公爵だと確信もつかめた。
バリモア公爵の関与も疑っていたが証拠がなく手をこまねいていたところ、何も知らないユーリスが囮となり彼らの尻尾が掴めたおかげでスピード解決できたということだった。