仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
「それは構わない。君が、これを?」
怒られるとは思わなかったが晩餐が遅れたことはあっさりスルーされてフローラは拍子抜けした。
ユーリスは少し戸惑いつつもクッキーをひとつ掴みフローラと交互に見た。
「はい。初めて作ったのです。まだ味見もしてませんので味はわからないのですが」
(ユーリスさまは食べてくれるかしら?)
固唾を飲むフローラに見つめられてユーリスは一口サイズのそのクッキーをパクリと食べた。ピタリと一瞬動きを止め無表情でモグモグと咀嚼する。
(食べてくれた!)
それだけでフローラは嬉しくて顔が綻ぶ。
でもまだ喜んではいけない、彼の感想を聞かなくては。
「ユーリスさま、お口に合いますでしょうか?」
「ん……」
返事の代わりとでも言うようにユーリスはもうひとつクッキーを口に入れる。
真顔で黙々と食べるユーリスはいつにも増して言葉数が少なく、おいしいのかおいしくないのか返事がもらえない。
(どちらなのだろう?)
それにしても次から次へとクッキーを口に運ぶユーリスをフローラは呆気に取られながら見つめた。
怒られるとは思わなかったが晩餐が遅れたことはあっさりスルーされてフローラは拍子抜けした。
ユーリスは少し戸惑いつつもクッキーをひとつ掴みフローラと交互に見た。
「はい。初めて作ったのです。まだ味見もしてませんので味はわからないのですが」
(ユーリスさまは食べてくれるかしら?)
固唾を飲むフローラに見つめられてユーリスは一口サイズのそのクッキーをパクリと食べた。ピタリと一瞬動きを止め無表情でモグモグと咀嚼する。
(食べてくれた!)
それだけでフローラは嬉しくて顔が綻ぶ。
でもまだ喜んではいけない、彼の感想を聞かなくては。
「ユーリスさま、お口に合いますでしょうか?」
「ん……」
返事の代わりとでも言うようにユーリスはもうひとつクッキーを口に入れる。
真顔で黙々と食べるユーリスはいつにも増して言葉数が少なく、おいしいのかおいしくないのか返事がもらえない。
(どちらなのだろう?)
それにしても次から次へとクッキーを口に運ぶユーリスをフローラは呆気に取られながら見つめた。