仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
どう思ってくれているのか、それは表情の乏しいユーリスからはうかがい知れなかったが、受け取ってくれただけでもフローラはうれしい。
「受け取っていただいてありがとうございます。私もっと練習してもっときれいな刺繍ををお渡しします。それまでここにいさせてください」
「え?」
「あの、ユーリスさまがお嫌でなかったら、なのですが。ユーリスさまは私のこと愛想を尽かせてしまったかもしれませんが私はもっとユーリスさまとお話ししたいし、ヒルト家の皆さん優しくてマリアやグレイとも仲良くなったのにこのままさよならはしたくないというか……」
ベリルさんやセドリックもよくしてくれますし……と、人差し指同士をもじもじとしながらフローラは言い訳をする。
クッキー事件の後もユーリスを散々避けていたこともあり、ユーリスがフローラのことを見限って婚約を解消すると言われたらどうしようという不安があり、ユーリスから話があると言われた時からもしかしたらと思っていた。
もっと、せめてもう少しだけでもここにいたいとフローラは切に願う。
「受け取っていただいてありがとうございます。私もっと練習してもっときれいな刺繍ををお渡しします。それまでここにいさせてください」
「え?」
「あの、ユーリスさまがお嫌でなかったら、なのですが。ユーリスさまは私のこと愛想を尽かせてしまったかもしれませんが私はもっとユーリスさまとお話ししたいし、ヒルト家の皆さん優しくてマリアやグレイとも仲良くなったのにこのままさよならはしたくないというか……」
ベリルさんやセドリックもよくしてくれますし……と、人差し指同士をもじもじとしながらフローラは言い訳をする。
クッキー事件の後もユーリスを散々避けていたこともあり、ユーリスがフローラのことを見限って婚約を解消すると言われたらどうしようという不安があり、ユーリスから話があると言われた時からもしかしたらと思っていた。
もっと、せめてもう少しだけでもここにいたいとフローラは切に願う。