仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
まさにフローラとの婚約を解消しようと考えていたユーリスは絶句する。
「ユーリスさま?」
不安そうに見上げてくるフローラに思わず聞いた。
「……あ、いや、あなたは嫌ではないのか」
「嫌、とは?」
「私と、婚約関係にあることが」
「嫌なんて思っていません。私はこのご縁を大切にしたいと思っています。もっとユーリスさまと打ち解けて仲良くなりたいです」
にっこり笑って言い切るフローラがユーリスは信じられない。
仮面の下を見てしまった後もフローラは同じことを言えるのだろうか?
「あなたは私の本当の顔を知らない。こんな私でも仲良くなりたいなんて言えるのか?」
彼女の驚く顔を想像するだけで胸が痛んだが、ユーリスはこの茶番を終わらせようと仮面に手をかけた。
「だっダメです」
フローラはユーリスが仮面を取ろうとしたことに気づいて咄嗟に彼の手を止めた。
「そんな、悲しそうなお顔ですべてを曝け出そうとしないでください」
「なぜ止める。あなたもこの仮面の下がどうなっているのか見たいのだろう?」
「それは、見てみたいと思っているのは事実ですが、ご自分を貶めるつもりで見せられても私も辛いです」
興味津々でユーリスに会いに来たフローラは後ろめたい気持ちで瞳を揺らした。
「ユーリスさま?」
不安そうに見上げてくるフローラに思わず聞いた。
「……あ、いや、あなたは嫌ではないのか」
「嫌、とは?」
「私と、婚約関係にあることが」
「嫌なんて思っていません。私はこのご縁を大切にしたいと思っています。もっとユーリスさまと打ち解けて仲良くなりたいです」
にっこり笑って言い切るフローラがユーリスは信じられない。
仮面の下を見てしまった後もフローラは同じことを言えるのだろうか?
「あなたは私の本当の顔を知らない。こんな私でも仲良くなりたいなんて言えるのか?」
彼女の驚く顔を想像するだけで胸が痛んだが、ユーリスはこの茶番を終わらせようと仮面に手をかけた。
「だっダメです」
フローラはユーリスが仮面を取ろうとしたことに気づいて咄嗟に彼の手を止めた。
「そんな、悲しそうなお顔ですべてを曝け出そうとしないでください」
「なぜ止める。あなたもこの仮面の下がどうなっているのか見たいのだろう?」
「それは、見てみたいと思っているのは事実ですが、ご自分を貶めるつもりで見せられても私も辛いです」
興味津々でユーリスに会いに来たフローラは後ろめたい気持ちで瞳を揺らした。