地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
***

「三日連続なんて珍しすぎる……」

 前の席でしのぶの呟く声が聞こえた。

 彼女が見ているのはあたしの隣。

 そう、今日も今日とて登校した途端寝入っている久保くんだった。


 あたしが来てからその久保くんの珍しい行動というのが頻繁にあるから、何かもう慣れてきた。

 逆に珍しくない行動の方があたしにとっては珍しいんじゃないだろうか。


 でも何でそんなに珍しいなんて言われる行動してるのかな?

 初日の午後とか、月曜の朝は理由があったから分かるけど……何で今日も?


 それ以外にも女子の名前覚えない人だっていうけど、あたしの名前覚えちゃってるし……。

 何で?


 不思議だったけれど、それをわざわざ聞こうとは思わない。

 大体にしてあたし久保くんとは出来る限り関わりたくないし。


 元々関わりたくないって思っていたけど、その上に昨日のアレだ。

 こんな危険な女の敵、近付いちゃダメだ。


 今日の午前中は移動教室もないので、久保くんはずっとこのまま一度も起きることはなかった。
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