地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
ゴクリ、と誰かがつばを飲み込む音が聞こえた気がする。
脅しはこんなものかな。
徹底的に叩き潰すならもう一押し欲しいところだけれど……。
でも、熱が上がってきたのか頭もガンガンと痛くなってきた。
流石にこれ以上は無理だ。
何も出来そうにない。
だから今日はもうこれで切り上げて早退しようと思う。
でも、そのときシンとした教室内に眠そうな声が響く。
「あ? 何だ?」
フワフワとした猫っ毛の頭をガシガシ搔きながら、久保くんが教室に入ってきた。
そして気にした様子もなく自分の席に向かったのだけど……。
「……なんだよ、これ?」
流石に引き裂かれた教科書たちがあたしの机周りに散らばっているのを見て顔色を変えた。
そして教室をぐるりと見渡してあたしに視線を止める。
スタスタと近付いてきた久保くんは珍しく真剣な目であたしを見下ろした。
「あれ、お前のだよな?」
「え? うん」
「やったのって、そいつらか?」
「ひっ!」
あたしと相対していた女子達が睨まれて小さく悲鳴を上げる。
久保くん、怒ってる?
あれ? でもなんで?
久保くんに実害があるわけじゃないし……あたしのため?
でもそれこそなんで?
脅しはこんなものかな。
徹底的に叩き潰すならもう一押し欲しいところだけれど……。
でも、熱が上がってきたのか頭もガンガンと痛くなってきた。
流石にこれ以上は無理だ。
何も出来そうにない。
だから今日はもうこれで切り上げて早退しようと思う。
でも、そのときシンとした教室内に眠そうな声が響く。
「あ? 何だ?」
フワフワとした猫っ毛の頭をガシガシ搔きながら、久保くんが教室に入ってきた。
そして気にした様子もなく自分の席に向かったのだけど……。
「……なんだよ、これ?」
流石に引き裂かれた教科書たちがあたしの机周りに散らばっているのを見て顔色を変えた。
そして教室をぐるりと見渡してあたしに視線を止める。
スタスタと近付いてきた久保くんは珍しく真剣な目であたしを見下ろした。
「あれ、お前のだよな?」
「え? うん」
「やったのって、そいつらか?」
「ひっ!」
あたしと相対していた女子達が睨まれて小さく悲鳴を上げる。
久保くん、怒ってる?
あれ? でもなんで?
久保くんに実害があるわけじゃないし……あたしのため?
でもそれこそなんで?