地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
閑話 久保 幹人
あー……何で俺、こんなことしてんだろうな。
普段より熱い美来をおぶりながら思う。
思いながら、理由がハッキリ分かっていれば自嘲したりとかも出来るんだろうが、俺はただただ本当に疑問だった。
俺にとって女は性欲のはけ口でしかなかったし、ちょっとでも優しくすればつけあがるからって今美来にしてやってるような優しさなんて全くしてこなかった。
なのに、今日は自然とこうしてやりたいと思ってしまったんだ。
はじめはこんな地味な女、女としても興味なかったはずなのに……。
最初は八神さんの命令でたまり場に連れて行っただけ。
こんな地味女《かぐや姫》なわけねぇし、連れて行けばそれっきりだと思ってた。
それが案外度胸のあるやつで、しかも女嫌いの双子が気に入ったって言うじゃねぇか。
女としては見ていなくても、興味は出た。
そうして面白がって絡んでいるうちに、女としても興味が出てきた。
メシ食ってるときの表情なんてまるで小動物で、愛嬌ありまくってる。
餌付けしたくなる双子の気持ちも流石に分かった。
地味な格好で運動オンチってイメージもあったが、案外身のこなしも悪くなくて運動は結構出来る方だとも気付いたし。