地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 何故かずらりと勢ぞろいで現れたのは宮根先輩一同。

 階段で助けてあげた子とか、なっちゃん……だったかな? 水をかけてきた彼女とかもいる。


「えっと……?」

 まさかまだ嫌がらせするーなんてことにはならないだろうし、どうしてあたしのところに来たのかが分からない。

 戸惑っていると、宮根先輩が代表して口を開いた。


「朝からごめんなさい。でも出来るだけ早く謝っておきたくて……」

「謝る……?」

 謝罪すると言われてあたしはチラリと奏を見る。



 実は金曜日の内に録音してあったボイスレコーダーは奏に渡してある。


 今後いじめとかしない様に宮根先輩達の悪行を知らしめることが出来るように。

 他の人達も宮根先輩みたいに嫌がらせをしてこないよう見せしめになるように。


 これは謝罪するように脅したってことなのかな?


 確認の様に視線をやった奏には、何故か目を逸らされた。


 え? 何? 違うの?

 じゃあどうして……。


 分からなくて小さく眉を寄せると、宮根先輩が頭を下げた。


「今まで嫌がらせして本当にごめんなさい、美来様!」
『ごめんなさい、美来様!!』

 宮根先輩の言葉を復唱するように他の数人の女子も声をそろえる。


 うん、でも待って。

 今なんて言った?

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