地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
美来――様?
訳が分からなくてもう一度奏に視線をやると、目を逸らしたままの状態で苦笑い。
その近くにいるしのぶも何だか「あ、ははは……」と困り笑顔。
これはしのぶも事情知ってるな。
でも謝って来た宮根先輩を放置して奏たちに事情を聞き出すわけにもいかず、まずは先にこっちをどうにかしようと動いた。
「えっと……とにかく頭を上げてください。反省してくれて二度とあんなことしないなら許しますから」
正直言うと本気で腹が立ったこともあったからそう簡単には許せないところもある。
でもこんな風に公衆の面前で謝られたら許す以外の選択肢はないでしょう。
それに反省して二度と嫌がらせをしないって言うならもういいことにしようとは思ってはいたし。
すると宮根先輩達は勢いよく顔を上げ「もちろんです!」と意気込んだ。
「あたし達は当然として、他にも美来様に嫌がらせをしようとする不届きな奴がいたら即刻叩き潰します!」
「え? いや、何で敬語――」
「美来様には火の粉すら届かないよう善処します!」
「……」
宮根先輩の斜め後ろでは階段で助けた子がコクコクと頷いている。
確かこの子、階段でもこんな風に首振り人形してたよね。