地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
プロローグ 如月 怜王
肌寒くなってきた早朝の時間帯。
俺は《星劉》のたまり場でもある理科準備室で物思いに耽っていた。
この学校の一大イベントである文化祭が始まる。
毎年この時期は一般生徒も不良も関係なく浮足立つ。
不良達はろくに参加もしないくせに、雰囲気だけで浮足立ってよく問題行動をする。
二年の双子を通じて千隼からの伝言を受けた。
毎年のことだし分かってはいるが、もうそんな時期か、と思ってしまった。
そして、厄介な……とも。
ついこの間問題を起こした《月帝》の下っ端が退学になった。
そのせいで《星劉》の下っ端達は変な興奮状態になっている。
幹部たちは何だかんだでチーム関係なく交流がある。
仲が良いわけじゃないが、お互いに丁度いい距離感を持って接することで問題が起きない様にしている。
だが、下に行くほどその丁度いい距離感というものがなくなり、完全に敵対していた。
そのせいか、《星劉》の下っ端達は俺達の時代だとばかりに良い気になってる。
そこに文化祭の独特な雰囲気。
問題が起こる気しかしない。
ため息を吐いてそういえばと思い返す。
確か二年前にも似たようなことがあったな……。