地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「女よけ?」

 つい首を傾げた。


「あいつら女嫌いだろ? でも近付きたい奴はやっぱりいるみたいで、何かと話しかけられてるんだよ。そこで今は俺と話してるから、とか言って追い払ってんの。いいように使われてるんだよ、俺は」

 はあぁぁぁ、と今度は盛大なため息を吐く奏。

 日々の疲れやストレスを一気に吐き出したみたいだった。


 ……でもおかしい。

 それくらい奏ならからまれない様に出来るはずなのに。

 例えば身代わりを用意したり、逆に女子達に勇人くんと明人くんを差し出したり。


 口八丁(くちはっちょう)で言いくるめていそうだ。


 それをしないってことは……。


「まあ、あの二人がいると逆に変なやつにからまれなくて済むから楽と言えば楽なんだけどな」

「……やっぱり」

 奏自身にとっても利があるからそうしてるんじゃない。


「それに今は美来のことで手一杯だしな」

 と、頭にポンと手を置かれた。

「……もういじめのこととかは解決したじゃん」

 憮然(ぶぜん)として反論するけど。

「今度は生徒会に誘われたんだろ?」

 と返される。


「……」

「正直お前には無理だと思うけど……本当にやるの?」

「た、試しに手伝うだけだもん!」

「それ、結局最後は入ることになる流れだろ?」

「……」

 否定できなかった。
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