地味同盟～かぐや姫はイケメン達から逃れたい～
　それが良く分かったし、それでいいとも思うんだけど……。

　香と奈々もあたしの友達なんだし、ガン無視するのはやめてあげてくれないかな？


　と、ちょっとイラっとしてしまう。


　そんな風に突っ立ったまま見ていたのが悪かったのか。

「ぐっお前らぁ……」

　一番回復が早かったらしい三人のうちの一人があたしの背後で立ち上がった。


　すぐに逃げの体勢に入ったんだけど――。

　ガシッ

　もはやお約束なのか、おさげを一本掴まれてしまった。


「……」

　あーもう！　この髪型嫌い！！


　ヒステリーを起こしたくなる気分で男の手を振り払おうとしたとき――。

「なにやってんだテメーらは！」

　ゲシッ

　また別の人物が現れてあたしのおさげを掴んでいた男を蹴りつけた。


　黒髪に、前髪の一部を赤く染めている細身の男性。

　耳には色んなタイプのピアスがいくつもついていた。


「女の子の髪をわしづかむんじゃねぇ！」

　そう言って倒れた男をひと踏みすると、あたしの方を見て瞬時に人好きするようなキラキラ笑顔を見せる。


「ごめんね、コイツらの管理が行き届いてなくて。大丈夫だったかな？」

「あ、はぁ……。ありがとうございます……？」

　何か、チャラい。

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