地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 五時限目の現代文。
 六時限目の数学。

 どちらも通して久保くんは寝ていた。


 先生はどちらも諦めた様子で何も言わない。

 暴走族のNO.3だって言ってたもんね。
 NO.3なら幹部に入っているだろう。

 暴走族が学校公認状態なら、先生も強く言えないのかも知れない。


 それにしても、ほぼ二時間ぶっ通しでこの体勢のまま寝れるって……。

 よっぽど寝不足なのかな?


 そのまま帰りのSHRまで寝ていたから、下手をすると二時間以上寝てたんじゃないだろうか。


 刺激しないようにとこの二時間ビクビクしながら隣で過ごしていたけれど、もしかしたらそこまで気にしなくても起きなかったんじゃないの?


 そんな風に思いながら帰る準備をし、しのぶと途中まで一緒に帰ろうと話していた。

「ほとんどの人は学生寮なんだよね? しのぶも?」

「うん、そうだよ。美来は敷地外にある第二学生寮だっけ?」

「そう。ちなみに奏は隣の部屋ね」


 あたしと奏が割り振られた部屋は、学生寮と言いつつもハッキリ言ってしまうとただのアパートだ。

 本来の学生寮は大体すぐに埋まってしまって、転入生の入る部屋の空きなど無いんだとか。

 でも、そんな人たちのために学校のすぐ近く。徒歩三分くらいの場所にあったアパートを買い取って第二学生寮にしたらしい。

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