地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「美来って……《かぐや姫》なの?」

「っ!」

「かぐや姫? ……ああ、生徒会長たちが探してるとかって言う? 何でそう思ったんだ?」

 バレた! と反応するあたしとは違って、何も知らない奏は純粋に質問し返していた。


「だって、生徒会長達が探してる《かぐや姫》の目は、ブルーグレーの瞳をしてるって有名だから」

「……へぇ」

 奏の声がまた低くなる。

 何で黙ってたんだ? って目で見てくる。


 いや、わざわざ言う必要ないかなーと思って。

 ……違うか。

 話せば、二年前のことも話さなくちゃならなくなるからだ。


 奏は気を遣ってか、あの日何があったかは聞かないでくれていた。

 でも、生徒会長や二人の総長が探してる《かぐや姫》があたしだってバレた以上話さないわけにはいかないか。


 ブルーグレーの瞳なんて、そうそういないもんね……。


「美来、帰ったら詳しく聞かせてもらうからな?」

「う……うん。」

 流石にもう逃げられないか。


「って事は、やっぱり《かぐや姫》なの? ……うわぁ! なんか、気づかないうちに有名人と仲良くなってた気分」

 しのぶは何故かキラキラした目でそんなことを言う。


 いや、有名人って。

 あー、学校内に限るならそうなるのかな?

 あの目立つ三人が探してる人なんだから。
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