地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「えーと……この服の支払い、あなたのツケだって言われて払わせてもらえなかったんですけど、そんなわけないですよね?」

 とりあえず変態発言は聞かなかったことにして、今一番大事なことを聞くことにした。

 違うと言ってもらえればすぐに払いに戻るつもりで。


 でも、銀星さんは「俺のツケに決まってんだろ」と普通のことのように言う。

「俺が連れてきた女の服ぐらい払うっての。逆に自分で払おうとすんな、俺がカッコ悪ぃだろうが」

 と返されてしまった。


「ええ!? いや、でもお礼も出来ないですし!」

 そう主張すると、銀星さんは腕を伸ばして来てあたしの肩を抱くように引き寄せる。


「もちろんお礼は頂くぜ? 金銭以外でな」

「え? ちょっと」

 そのまま歩かれてついて行くしかなくなる。


 なんとなく嫌な予感はしたものの、確証を得るまでは下手なことは出来ない。

 だからあたしは言葉を重ねた。


「金銭以外って何ですか? あと、どこに向かってるんですか?」

 その答えは嫌な予感そのもので……。


「そりゃあもちろんカラダで。一番近くのラブホに向かってっけど……路地裏とかの方が良いか? お前外の方が興奮するタイプ?」

「……」
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