地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「なっ!? ここで泣くのかよ」
初めて銀星さんがうろたえたような声を出したけど、今のあたしにはそんなことどうでもよかった。
「うっ……今度こそは、好きな人とって……思ってたのに……」
また、無理やり奪われた。
こんなことにならない様に、空手以外も頑張ってたのに……。
ただただ、悲しくて悔しい。
涙が止まってくれないほどに。
そうして銀星さんにも隙が出来たからだろうか。
その隙を突いて誰かが彼の死角から攻撃を仕掛けたのが視界の片隅に見えた。
銀星さんも直前まで気付かなかったのか、攻撃をモロに受けそうになってあたしから手を離す。
唐突に離されて少しよろけてしまったあたしを引き寄せるように、腕を掴んでその胸に抱き留めた人がいた。
そのままギュッと少し抱き締められ、身を固くする。
でもそんなあたしの反応に気づいたのか、すぐに力を緩めてくれた。
「……ごめんな」
降りてきた低い声は、思ったより優しい声音。
見上げた先にあったのは、申し訳なさそうに眉を寄せた八神さんの顔だった。
彼は眉間のしわを一本増やして、もう一度謝罪の言葉を口にする。
「ごめんな……その、キスのことも……」
初めて銀星さんがうろたえたような声を出したけど、今のあたしにはそんなことどうでもよかった。
「うっ……今度こそは、好きな人とって……思ってたのに……」
また、無理やり奪われた。
こんなことにならない様に、空手以外も頑張ってたのに……。
ただただ、悲しくて悔しい。
涙が止まってくれないほどに。
そうして銀星さんにも隙が出来たからだろうか。
その隙を突いて誰かが彼の死角から攻撃を仕掛けたのが視界の片隅に見えた。
銀星さんも直前まで気付かなかったのか、攻撃をモロに受けそうになってあたしから手を離す。
唐突に離されて少しよろけてしまったあたしを引き寄せるように、腕を掴んでその胸に抱き留めた人がいた。
そのままギュッと少し抱き締められ、身を固くする。
でもそんなあたしの反応に気づいたのか、すぐに力を緩めてくれた。
「……ごめんな」
降りてきた低い声は、思ったより優しい声音。
見上げた先にあったのは、申し訳なさそうに眉を寄せた八神さんの顔だった。
彼は眉間のしわを一本増やして、もう一度謝罪の言葉を口にする。
「ごめんな……その、キスのことも……」