地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 でもいつものことなのか、西木戸さんは「ったく」とため息を吐いてその会話を終わらせる。

 そうしてやっとあたし達周囲を見回した。


「で? これどういう状況?……あれ? メッチャ可愛い子もいるじゃん誰だよその子」

 あたしの姿を見て突然喜色を表す西木戸さん。

 やっぱりチャラい。


 するとそんな彼から守ろうとでもするかのように八神さんがあたしを背後に来るように隠した。

 抱きしめられていた状態から解放されてホッとする。


 このまますぐに逃げたい気もするけど……ダメかな?

 ダメだよねぇ……。


 状況的に今逃げたら収集がつかなくなりそう。

 それに、銀星さんが何者なのかハッキリさせておきたかった。


 だから八神さんの背中から顔だけを出して様子を伺う。


「その目……もしかしてその子があんたらが探してた《かぐや姫》? 想像以上じゃん」

 あたしの容姿――主に目の色を見て自分で答えを見つけ出す西木戸さん。

「なぁ銀星、あの子俺らのにしねぇ? 《crime(クライム)》で可愛がってやろうぜ?」

 そして楽しそうにそう提案する。


 いや、だからあたしの意志は?
 何でみんなこうもあたしの意志を無視するかなぁ?


 腹立たしくはあったけど、とりあえずは眉を(ひそ)めるだけにとどめた。
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