地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
二年前の記憶
少し路地裏に入ってみたり、人込みに紛れてみたり。
出来ることを駆使して彼らを撒く。
そろそろ大丈夫かな?
そう思って歩調を緩め周囲の様子に意識を向けた。
今は大通りから少し横道にそれたところ。
と言ってもそれなりにお店はあるからそこそこの通行人はいた。
とりあえず追いかけてくるような足音は聞こえない。
それが分かってホッと一息ついたときだった。
店と店の間の薄暗い路地から手が伸びてきて、腕を掴まれ引き込まれる。
マズイ、油断した!
逃げて捕まってまた逃げてと疲労がたまってきたこともあって、集中力が切れやすくなっていたみたいだ。
とにかく逃げなきゃ。
その思いだけで暴れたけれど、相手はあたしをなだめるように「落ち着け」と声をかけてくる。
「ちょっ、マジ落ち着けって、美来!」
「!?」
ピタッと、暴れるのを止めざるを得なかった。
今の姿のあたしを美来と呼ぶのはこの辺りでは二人だけ。
奏としのぶだけだ。
でも、今目の前にいるのは彼らじゃない。
あたしは驚きに目を見開きつつ目の前の久保くんを見た。
「……どうして、分かったの……?」
出来ることを駆使して彼らを撒く。
そろそろ大丈夫かな?
そう思って歩調を緩め周囲の様子に意識を向けた。
今は大通りから少し横道にそれたところ。
と言ってもそれなりにお店はあるからそこそこの通行人はいた。
とりあえず追いかけてくるような足音は聞こえない。
それが分かってホッと一息ついたときだった。
店と店の間の薄暗い路地から手が伸びてきて、腕を掴まれ引き込まれる。
マズイ、油断した!
逃げて捕まってまた逃げてと疲労がたまってきたこともあって、集中力が切れやすくなっていたみたいだ。
とにかく逃げなきゃ。
その思いだけで暴れたけれど、相手はあたしをなだめるように「落ち着け」と声をかけてくる。
「ちょっ、マジ落ち着けって、美来!」
「!?」
ピタッと、暴れるのを止めざるを得なかった。
今の姿のあたしを美来と呼ぶのはこの辺りでは二人だけ。
奏としのぶだけだ。
でも、今目の前にいるのは彼らじゃない。
あたしは驚きに目を見開きつつ目の前の久保くんを見た。
「……どうして、分かったの……?」