地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「お願い! 如月さん達には黙ってて!!」

 二人が慕っているらしい如月さんと、友達のあたし。

 天秤にかけさせてしまうかもしれないけど、今回ばかりはあたしを選んで欲しかった。

 どうしてもバラしてほしくないから。


 泣いてしまった後でまだ潤んでいる瞳で見上げて頼み込む。

「二人ともお願い、如月さんと八神さんと坂本先輩。特にあの三人には知られたくないの」

「っ、美来、それは反則……」
「おまっ、その顔ヤバいから……」

 必死に頼んだけれど、二人は空いている方の手で口元を隠しながらそっぽを向く。

 やっぱり如月さんの方が大事かな?


「やっぱり、ダメ? どうしても?」

 下から覗き込むように小首をかしげて懇願する。

『っ!?』

 すると息を呑んだ二人はそろって顔を真っ赤にした。


「わ、分かったって!」
「言わない、黙ってるからっ!」

 その言葉が聞けて安堵したあたしは、笑顔でお礼を言う。

「良かった。ありがとう、二人とも」


『っ!?』
 どうしてか揃って息を呑む二人。

 あたし、変な顔でもしてたかな?


 ヴヴヴヴヴ……

 勇人くんと明人くんにどうしたの? と聞こうとしたけれど、その前に消音設定にしていたあたしのスマホが震えた。

 取り出してみると、画面には奏の文字。
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