地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
***

 三人はあたしの姿を隠すように周囲を固め、足早に第二学生寮に向かう。

 人が多い街中では八神さん達に見つからないかヒヤヒヤしていて緊張したけど、寮も近くなってくると少し会話をする余裕が出てきたみたいだった。


「あー、ってか最近久保の美来に対する反応がおかしいと思ってたけど……納得したわ」
「だな。これはヤバイ」

「……うっせ」

 突然、最近の久保くんのあたしに対する態度が変わった理由を理解しだした勇人くんと明人くん。
 二人の言葉を久保くんは否定しなかったから、多分本当に理解しているんだろう。

 でもあたしにはサッパリ分からない。

 今朝も久保くんに会ったとき聞いた気がするけど、あの時は奏に邪魔されたような形になってしまった。
 何か言っていた気がするけれど、良く分からないうちに久保くんが先に寮を出て行ってしまったんだっけ。


「ねえ、どういうこと?」

 だから聞かずにはいられなかった。

「久保くんの態度が変わった理由、二人は分かったってことだよね?」

 どういうことなの? って、重ねて聞いた。


「え?」
「いや、それは……」

 言って良いものか、とでも考えてるのかな? 二人は久保くんの方を見ながら言いよどむ。
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