地味同盟～かぐや姫はイケメン達から逃れたい～
「ま、そういうことは自覚しようと思って出来ることじゃねぇからな」

　首をひねるあたしに勇人くんがそう告げる。

　見上げて目が合うと、やっぱり視線だけそらされた。


「もう！　さっきから三人ともなんであたしから目をそらすの！？」

　不満に声を荒げるけど、ふとその理由に思い当たった。


「あっ……もしかして怒ってる？」

『は？』

　三人の声が揃って聞き返してくる。


　怒ってる様には見えなかったからすぐには思い当たらなかったけど……。

　今はあたしが地味子の姿して《かぐや姫》だってこと隠してたって状況だ。
　騙してたって思われてるのかも知れない。


「ごめん。騙すつもりじゃ無かったんだよ？　ちょっと事情があって地味な格好してただけで、転校してくるまで自分が《かぐや姫》って呼ばれてる事すら知らなかったから……」

「あ、いや。何か事情があったんだろうなってのは察してっから」
　勇人くんが視線を戻してそう言ってくれる。

「そうだよ。別に騙された何て思ってねぇから」
　明人くんも顔の向きを少し戻してちゃんとあたしを見てくれた。

「怒ってなんかいねぇから、気にすんな」
　久保くんもそっけない感じはあったけど、チラッとあたしを見ながら言う。
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