地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 ちょっとぎこちないけどあたしを見てくれた事で、その言葉が嘘じゃないって分かる。

 事情があったんだろうって察してくれるとか、気遣ってくれて嬉しく思う。


 だからホッとして笑顔を見せた。

「そっか、良かった。ありがとね」

『っっっ!!!』

 すると何故か三人は、揃って胸を押さえてうずくまってしまった。


「え? 何? どうしたの突然!?」

 苦しそうな三人に慌てる。


「ぅぐっ、今の、不意打ち……」
 苦し気ながらも勇人くんが何か呟いてる。

「ヤバイ、心臓破けそう」
 心配しかない言葉を吐き出す明人くん。

「破壊力ハンパねぇ……」
 久保くんは何から攻撃を受けたんだろう?


「ちょっと、本当にどうしたの? 大丈夫?」

 なにが起こったのか分からないあたしは、そう声を掛けるしかなくて……。

 でもそんなあたし達に冷静な声が掛けられた。


「……余裕だな、お前ら」

「え? あ……」

 見ると、ヒンヤリとした冷たさを眼鏡の奥から漂わせ、呆れ交じりの口調をした奏がいた。


「遅いから少し来てみれば……お前らに頼んで本当に大丈夫なのか心配になってきたぞ?」

 その言葉はうずくまっている三人に向けられていた。


「……悪かったな、でも仕方ねぇだろ」

 そう言って何とか立ち上がったのは久保くんだ。
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