地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「久保、お前の異母兄の高峰 銀星ってやつは、ここと関係あるか?」

 スマホで調べたものを見せながら確認を取る。

 画面を見た久保は苦いものを呑み込んだような顔をした。


「……まあ、あるな。……そこの跡取りだ」

 渋々といった様子で答えた久保に、おそらく聞かれたくないだろう質問をする。


「ってことは、お前も関係者ってことになるのか?」
「……ほとんど関係ねぇよ」

 案の定仏頂面でそう答えた。


 まあ、あまり関係ないならその方が良い。
 その方が使いやすいからな。

「そうか……じゃあ、ここからが本題だ。久保、お前美来を守るのを手伝え」

「は? え? いや、お前こないだと言ってること真逆じゃね?」

 俺の提案、というよりほぼ命令に近い言葉に、久保は怒るより先に驚く。


 まあ、確かに真逆だな。

 守るってことは近くにいるのが一番だ。
 近づくなって言った俺が真逆のことを言ったら驚くのも当然か。


「事情が変わったんだよ。今は一人でも多く人手が欲しい。それにお前、今はもう美来に触れるのすら勇気いるんだろ?」

「んな!?」

 何でバレた!? って顔してるけど、バレバレだから。
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