地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 あたしを襲った奴らって……あのリンチのとき、派手女子に連れて来られた奴らのことだよね?

 ってことは何?
 あたしが原因だったりする?


 少し強張る表情を見て八神さんは少し慌てて弁明した。

「ああ、お前が原因じゃないから気にするなよ? 元々仲が良いわけじゃねぇし、最近は特に張り詰めてたからな。……一つのきっかけになっただけだ」

「……」


 そうは言うけど、やっぱりきっかけにはなったってことだよね?

 責任を感じるって程じゃないけど、ちょと気になってしまう。


「まあ、でもそういうわけだから《月帝》の連中は今お前に良い感情を持ってねぇ。俺や幹人とか幹部の奴らは大丈夫だが、下に行くほどガラも悪いし手も出やすい。……気をつけろよ」

「八神さん……」

 もしかして、あたしを引き留めたのはこれを言いたかったから?


 ……多分、そうなんだと思う。

 そこまで話した八神さんは、話は終わったとばかりに缶コーヒーをグッと飲み干したから。


 仰け反って見えた喉ぼとけが上下する。

 そこに男らしい色気を感じてちょっとドキッとしてしまった。


 缶コーヒーを飲み干した八神さんは立ち上がるとあたしの頭にポンと手を置く。
< 347 / 878 >

この作品をシェア

pagetop