地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「二年間、ずっと探してた。あんなところで再会できるとは思ってなかったけどな」

「……そうですか」

「会って、やっぱり俺は彼女が好きなんだって思ったよ」

「っ!?」

 スルリと出てきた言葉に思わず肩がビクリと震える。


 え?

 す、好き?

 《かぐや姫》をって……つまりあたしを!?


 突然前触れもなく聞かされた言葉に動揺が隠せない。

「え? 八神さんって、《かぐや姫》のこと好きだったんですか?」

 聞き間違いかもと思いながら確認してみる。


「あん? 当たり前だろ? じゃなきゃ二年間も探し続けてねぇよ」

 少し不機嫌な声が下を向いたままのあたしに降りかかってくる。


「そ、そうなんですか……」

 動揺が隠し切れるか分からない。

 声にも現れてしまっている気がする。


 そうか、八神さんってあたしのこと好きだったんだ……。

 いや、俺の女になれとは言われたけどさ……。

 でも二年前はちょっと会話しただけだったし、あたしの見栄えがそれなりに良いからアクセサリー感覚で言ってるものだと……。


 え? え? でも、好かれてるって分かっても……困る!

 だってあたし、学生のうちは特定の人つくるつもりないし……。
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