地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 今までも告白みたいなことをされたことはあるけど、そういうのは全部断ってきた。

 特定の人を作るのは、ちょっと……今はまだ怖いから……。


 とにかく、八神さんにはあたしが《かぐや姫》だとバレなきゃ告白もされないだろうから……多分大丈夫だよね!


 そう思ったんだけど……。


「……でもな」

「はい?」

 少し黙り込んでいたと思ったら、何だか気落ちしているような声になった八神さん。

 そろりと視線だけを上げて表情を見ると、困ったように眉を寄せていた。


「何でだろうな? この間会った《かぐや姫》とお前が重なるんだ」

「ぅえ!?」

「んなことあり得ねぇのにな?」

「そ、そうですよ! あたしが《かぐや姫》なんて呼ばれる人と似てるなんてこと、あるわけないじゃないですか!」

 思わず顔を上げて全力否定してしまう。


 あ、ヤバい。
 態度があからさま過ぎたかな?

 しかも表情が引きつっちゃってる気がする。


 でも眼鏡である程度隠れているためか、八神さんがそれに気付くことはなかった。

「ふはっ、お前力み過ぎ。そうだよ、あるわけねぇじゃん」

 そう笑って同意してくれたのでホッとする。


 ――のも束の間。
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