地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 今回も同じ感じなのかな?

 と、小首を傾げる。


「っ! 星宮さんっ」

 すると息を詰まらせるような声で呼ばれ、肩を掴んでいた手が背中に回ってくる。


 ん?


 と思ったときには高志くんの腕に囲い込まれるようになっていて――。


「きゅわわーん!!」

 次の瞬間には、何故か突然現れたすみれ先輩に抱きしめられていた。

「んん?」

 何が起こったのか良く分からない。


 えーっと、高志くんは抱きしめたいとか言ってたから……今のってそうしようとしてたってことかな?

 そして、抱きしめる前に横からすみれ先輩がしゃしゃり出てきた、と。


「もう! 美来さんその首を傾げるしぐさ可愛すぎるわ!」

 ぎゅうぅぅっと抱きしめられてちょっと苦しい。

「あ、あの。すみれ先輩?」

 一度離してもらおうと呼び掛けるけれど、すみれ先輩は構わず抱きしめたまま話し出した。


「でも男の前でそんなことしちゃダメよ? 狼になってパクリと食べられてしまうわ」

「へ?」

 注意されて間抜けな声が出る。


 パクリと食べられてしまう前にちゃんと逃げられるんだけれど……。

 というか、そんなことってどんなこと?
 首傾げちゃダメなの?


 頭の中でさらに首を傾げていると、放置された高志くんが「あの……」と気まずそうにあたし達に声を掛けた。
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