地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「つい抱きしめようとしてしまいましたが、食べたりなんてしませんよ? 久保じゃあるまいし……」

 最後は少し嫌そうな顔をして久保くんの名前を出す。


 そういえば以前保健室でそういうやり取りあったなぁ、と思い出した。

 思えば、あの頃に比べると久保くんかなり変わったよねぇ……。


 そんなことを考えていたら、高志くんの言葉にはすみれ先輩が返していた。

「あら? 久保って確か《月帝》のNO.3の二年よね? あの男子生徒、最近は全く女遊びしていないらしいわよ?」

 だから食べたりなんてしないんじゃないかしら、とすみれ先輩は言う。


「え? そうなんですか?」

 最近優しくなったし、セフレにするとかも言わなくなったからそういうところ落ち着いて来たのかな、とは思ったけれど……。

 まさか女遊びも無くなってたなんて。


 でも、そう言えば最近の久保くんは寮にいることが多い気がする。

 前までは女のところに行っているのか、基本夜しか寮にいなかった。
 本当に寝るためだけに帰って来てるって感じで。


 それに学校でも授業をずっと受けてるし……。

 ……いや、あれは受けてるって言って良いのか疑問はあるけれど。
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