地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「わ! 名前覚えててくれたのね!? 嬉しい!」
「あ、いや。その呼び方しか知らないんだけど……」
暗に教えてくれたらちゃんとした名前で呼ぶよ、と言ったつもりだったんだけど……。
「それでいいよ。愛称呼びの方が親しい感じがして嬉しいし」
と笑顔で言われて名前は教えてもらえなかった。
まあでも、今はそんなことを悠長に話していられる状況じゃない。
視線を前方に戻すと、にらみ合っている不良達がいる。
「なんか、《星劉》の不良達が先にちょっかい出して来てたみたいなの。手伝ってやろうかって言いながら邪魔してたって言うか……」
あたしの視線を追って、なっちゃんが説明してくれた。
「それで、北校舎をナワバリにしてる《月帝》の不良達が一応助けようと出張ってきたんだけれど……」
「ああ……」
その結果としてもれなくケンカとなって、アーチに大穴を開けることになったってことか。
「これ以上暴れられたら本当に困るね。せめて場所移してもらわないと」
厄介ごとに首を突っ込みたくはないけれど、放置するわけにもいかない。
あたしは足を進めてにらみ合う不良達の間に入った。
「はい、すみませんがせめて場所移してもらえますか?」
「あ、いや。その呼び方しか知らないんだけど……」
暗に教えてくれたらちゃんとした名前で呼ぶよ、と言ったつもりだったんだけど……。
「それでいいよ。愛称呼びの方が親しい感じがして嬉しいし」
と笑顔で言われて名前は教えてもらえなかった。
まあでも、今はそんなことを悠長に話していられる状況じゃない。
視線を前方に戻すと、にらみ合っている不良達がいる。
「なんか、《星劉》の不良達が先にちょっかい出して来てたみたいなの。手伝ってやろうかって言いながら邪魔してたって言うか……」
あたしの視線を追って、なっちゃんが説明してくれた。
「それで、北校舎をナワバリにしてる《月帝》の不良達が一応助けようと出張ってきたんだけれど……」
「ああ……」
その結果としてもれなくケンカとなって、アーチに大穴を開けることになったってことか。
「これ以上暴れられたら本当に困るね。せめて場所移してもらわないと」
厄介ごとに首を突っ込みたくはないけれど、放置するわけにもいかない。
あたしは足を進めてにらみ合う不良達の間に入った。
「はい、すみませんがせめて場所移してもらえますか?」