地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「いやいや、立ち会ってもらってちゃんとハッキリさせようぜ? どっちがこの学校を管理するにふさわしいチームかをよ」

「いや、だから――」

「はぁ!? ふざけてんじゃねぇぞ!?」

 あたしの仲裁の言葉は届かず、ついに《月帝》の不良達が拳を振るい始めてしまう。


「はっ! 上等だぁ!」

 対する《星劉》の不良達もあたしを挟んだままケンカを始めてしまった。


「ちょっ! 危なっ!?」

 巻き込まれたあたしはとにかくよける。


 こいつら程度なら叩き潰せると思うけど、のした後が面倒そうだな。

 でもこれ以上アーチ壊されるわけにもいかないし……。


 そう考えて、とりあえず動けなくしてしまおうと思ったときだった。


「本当に、もうやめてくださいー!」

 さっきから叫んでいた女子生徒が、何を思ったかケンカしている不良達の方へ突っ込んで来てしまう。


「なっ!? 危ないって!」

 不良の拳が彼女に当たりそうになって、思わずその女子生徒の腕を引っ張って引き寄せる。


 そうしている間に、アーチに大穴を開けてのされていたやつが起き上がり近くにあったハサミを掴んだ。

「っこのヤロウ!」

 彼を殴った人物だろうか。
 丁度あたし達を挟んだ反対側にいる《月帝》の不良に向かってハサミを突き出している。
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